ご挨拶
永楽屋はからいもの(佃煮)とあまいもの(菓子)を取り扱うお店です。
それぞれに「一と口椎茸」、「琥珀」を筆頭に、ご好評を頂いている数々の商品がございます。相対する組合せですが双方を取り扱うお店は全国でも珍しく、弊店の歩みは日本人の食生活に欠かせない「米と茶」が引き合せてくれた巡り合せでございます。お客様と京都の街、そして和を尊ぶ日本人の心に育てて頂きました。
お相手の幸せは、自身にとっての幸せ。幸せや感謝の気持ちはどこからともなく生まれてくるもの。我々は商品に心を添える事を忘れず、先人の教えに学び厳選した材料と共にお客様の更なるご期待とご信頼にお応えできるよう、「誠実」にものづくりを重ねてまいります。
永楽屋のあゆみ
受け継いだのは、商人としての「誠実さ」
永楽屋のあゆみ、それは創業者である齋田永三郎の商人としてのあゆみからはじまります。15歳にして商人としての道を志し、19歳でたった4坪の小さな商店をかまえた永三郎は、やがて紡績業を展開、国内外に拠点をおくまでに育て上げます。その後、上海事変に伴う事業所撤退を経て、故郷京都に戻った永三郎に転機が訪れたのは第二次世界大戦後の混乱期。あらゆる物資が不足し人々の生活すら困窮する中、手に入れやすい食材を使って、いかにして人々の心を満たす食を届けるかに奮闘します。
そうして昭和21年、現在本店がある河原町四条で永楽屋は産声を上げたのです。
永三郎は料理人でも職人でもなく、商売の道を志した商人でした。しかし移り行く時代の中で、商人が商売を通して何を志し何を届けるべきかという想いは、ものづくりに誠実に取り組む姿勢となって、今も永楽屋に強く受け継がれています。
齋田永三郎、齋田永三郎商店を創業
場所は大阪市内の約4坪の借家。紆余曲折ありつつも、メリヤス類の製造・販売を中心に事業を展開。
複数の事業所、上海に出張所を持つに至る。
齋田永三郎商店が閉店
上海事変に伴う事業所撤退を経て、閉店。やがて故郷京都へ戻り、料理店を開店させる。
永楽屋 創業
場所は現在本店がある河原町四条。店内には佃煮や干物などを扱う食料品を扱う「食品部」と、ビスケットやキャンディーなどを扱う「菓子部」があり、それぞれ壁で区切られていた。また菓子部の2階には「喫茶部」も設置された。
株式会社永楽屋 設立
事業発展に伴い法人に改組。
「一と口椎茸」製造開始
有数の乾椎茸問屋より、小粒の冬茹椎茸の用い方について相談を受けたことがきっかけ。
本社および工場を花見小路新門前上ルへ移転
東京店 開店
本社および工場を山科に移転
当時は周辺に目印がなかったことから、本社前の道には「永楽屋通」との呼び名がついた。
永三郎、死去
阪急うめだ本店、高島屋京都店、河原町四条阪急に出店
「大判おはぎ」製造開始
「大きくても、味や品の良さが保たれたものを」と試行錯誤を重ね、できあがる。
本店 改築開店
佃煮と菓子の売場を分けていた壁を取り払い、現在のかたちに。
大きなトップウィンドウは当時、食品を扱う店としては斬新で、商業建築の分野で話題になった。
「柚子こゞり」製造開始
可愛らしい印象の琥珀菓子が多いなか、宝石(琥珀)のごとく、姿かたちにこだわり抜き、気品ある美しさと 味わいに仕上げられた。妥協せずものづくりに取り組む姿勢は、以後の商品開発にも強く受け継がれる。
室町店 開店
大丸京都店 出店
「琥珀」「京のおぶみそ」製造開始
表面の白濁やヒビを許さぬ「琥珀」、具材によって味噌の配合にこだわった「京のおぶみそ」。
どちらも、ものづくりや素材に対する誠実さのあらわれ。
オンラインショップ 開店
「やさい昆布」製造開始
すべて国産の素材にこだわりを持ち、つくり上げる。
「柚子こゞり」京ブランド食品に認定
「琥珀紅玉」製造開始
ものづくりに対する姿勢は受け継ぎながら、様々な新しい試みのなかでつくり上げる。
京都景観賞 屋外広告物部門 ダブル受賞
京都市さまより、町並みと調和し思わずお店に入りたくなる魅力的な屋外広告物として、本店と室町店の2店舗を表彰いただきました。
優秀賞(本店)
歴史的意匠屋外広告物(室町店)
「琥珀 柚子」がウェブコミックス・コミックスに登場
先生のおとりよせ(漫画・挿絵:中村明日美子・小説:榎田ユウリ/クロフネZERO)第1話に「琥珀 柚子」が登場。翌年にクロフネコミックスDXより書籍として販売されました。
喫茶室(本店2階)リニューアルオープン
より皆様におくつろぎ頂けますよう、設えや空間にもこだわり増床し全面改装致しました。
「京都モデル」ワーク・ライフ・バランス認証企業
取組の制度化と利用実績が認められ、京都府知事より「京都モデル」ワーク・ライフ・バランス認証企業に認定されました。
本店1階リニューアルオープン
ゆったりと楽しくお買い物頂けますよう改装致しました。
店頭のウィンドウや柱などは昔の面影も大切にとの考えから、変わらず残しております。
「京都府子育て支援表彰(職場環境づくり部門)」受賞
京都府さまより平成28年度(第10回)「京都府子育て支援表彰」(職場環境づくり部門)にてご表彰いただきました。
大丸梅田店リニューアルオープン
地下2階から地下1階「和菓子」売場に移転し、リニューアルオープンいたしました。
大丸京都店リニューアルオープン
店構えにもこだわり、無垢材や京唐紙、京の夏の風物詩 五山送り火の火床としても有名な大谷石を使用するなど、京都らしい設えとなっております。
「琥珀 柚子」がTVドラマに登場
先生のおとりよせ(向井理・北村有起哉・橋本マナミ・神尾楓珠・財前直見/テレビ東京)第1話に「琥珀 柚子」が登場。
「琥珀 柚子」が日本経済新聞で「食べる宝石 琥珀糖」にて1位を獲得
NIKKEIプラス1(日本経済新聞 朝刊)「何でもランキング」にて、「琥珀 柚子」が琥珀糖1位に選ばれました。
高島屋京都店リニューアルオープン
賑わいのある「生鮮市場」の前にリニューアルオープンいたしました。 エスカレーター(西側)からも近く、お買い物にも便利になりました。
永楽屋の商品
「米と茶」が巡り会わせてくれたもの
永楽屋は、一と口椎茸に代表される佃煮、京のおぶみそ、京のおばんざいなどの「からいもの」から、柚子こゞりに代表される琥珀、焼菓子、羊羹などの「あまいもの」まで、自慢の品を数多くご用意しております。
弊店は食の楽しみが少なかった戦後の混乱期に創業し、限られたなかから、できる限りの食の彩りをご提供できるよう誠実に努めて参りました。そのなかから永い時間をかけて、お客様にお楽しみいただき育てていただいた「からいもの」と「あまいもの」。一見すると相対する組合せですが、どちらも日本人に欠かすことのできない「米と茶」によく合う食の彩りです。
商品のご案内
誠実なものづくり
変わらず、そして変わり続けること
「不易流行」という言葉があります。新しみを求めて絶えず変化する流行性にこそ、永遠に変わることのない不易の本質がある。即ち、不易と流行の根本は繋がっている、というものです。
永楽屋が、変わらず大切にしてきたことは誠実なものづくり。
この姿勢が、技術の研鑽、より良い素材の吟味という変化へ繋がり、おのずと上質を生むのです。
変わらないために、変わり続ける。
本質を見極め、基盤を変えることなく、絶えず工夫し、新たな可能性を見出していくことが、永楽屋の「不易」と「流行」。
私たちはこれからも、この姿勢を大切にしながら、上質なものづくりを続けてまいりたいと考えております。
素材へのこだわり
かつて都であった京都には、1年を通して四季折々の旬の食材が全国から集められました。それらは洗練された感性と技術によって豊かな食文化として実を結びました。
永楽屋の扱う品々にも、全国各地から集められた選りすぐりの素材が使用されています。
厳選された良質な素材を使用することはもちろん、気候やその時々のわずかな違いを見極めることで、美味しく、そして安心してお召し上がりいただけるよう努めてまいります。
国産 原木栽培の小粒冬茹椎茸
冬茹(どんこ)とは、寒い時期にゆっくりと育った椎茸のこと。そうして育った椎茸は、肉厚で濃厚な味わいとなります。永楽屋では国産冬茹の中でも小粒のものを厳選しています。
自然の状態に近い栽培方法である「原木栽培」の椎茸は、重労働で生産が安定しないことから生産量が減少し、大変貴重となっています。しかしその食感と香りは、森の風味そのもの。永楽屋は椎茸本来の旨味にこだわり続けます。
国産 朝倉山椒
広く使われている山椒に葡萄山椒がありますが、永楽屋では国産の朝倉山椒を使用しています。
朝倉山椒は収穫量が大変少なく、貴重な山椒です。しかし佃煮にしたときの山椒特有の香りは朝倉山椒の方が断然よく、実が大きく柔らかいのも特徴です。辛味も後まで残らず、純粋な山椒の風味をお楽しみいただけます。
徳島県 木頭産 木頭柚子
徳島県木頭地区。河童伝説が残るほどの清流、那賀川のさらに上流にある自然豊かな地です。寒暖の差が大きく降水量の多い、素晴らしい香りの柚子が育つ気候風土で知られています。ここで育った柚子はその品質の高さから特別に銘が与えられ、「木頭柚子」と呼ばれています。
永楽屋では品質を守るために、現地に足を運び、見て、触り、香りを確かめ、直接仕入れた木頭柚子のみを使用しています。
職人の技
永楽屋には、職人たちによって長い年月を経て培われてきた技術があります。素材のぬくもりを手先で感じ取り、一品一品に真心を込める妙技。それは単なる製法ではなく、永楽屋がものづくりにかける想いそのものだと考えています。
伝統を重んじながらも、けっして革新を忘れない。永楽屋の職人は、お客様のご期待に応えるべく、日々、誠実なものづくりに励んでいます。
佃煮職人「からいもの」
こだわり:安心で美味しいものづくり
好きな言葉:挨拶の言葉(「おはよう」「ありがとう」等)
勤続年数:34年
「永楽屋の工場には大きな機械はありません。
素材の状態を確認するのも、洗ったり切ったりするのも、鍋で煮上げるのも全て人の手で行っています。花山椒のような季節の食材はもちろん、椎茸や昆布といった素材も同じものは一つとしてありません。
仕入れた素材の持ち味、気候によって調味料の加減をしたり、味をつけるタイミングを変えたり。
長年携わってきた職人の腕で、変わらぬ味をお届けしています。」
和菓子職人「あまいもの」
こだわり:食材は無駄なく使う
好きな言葉:出会い(人も食材も出会いが大切です)
勤続年数:33年
「私の父も永楽屋の和菓子職人であったご縁で、永楽屋の菓子づくりを務めさせていただいています。その父が先代と創った『柚子こゞり』に憧れ、当代と共に『せとかの雫』『レモンの雫』を創り上げました。
先代と父も変わらず大切にしてきた誠実なものづくり。この姿勢を受け継ぎつつ、技術向上、より良い素材の吟味に努めて参ります。」
仕上職人「黒と白」
こだわり:段取りよく仕事の流れをスムーズに!
好きな言葉:人に優しく
勤続年数:29年
「丁寧に作るだけでは、お客様に満足していただける品にはなりません。お客様のお手元に届くその瞬間まで最高の状態を保つために、出来上がった品を人の目で確認しています。
少しでも不備があるものは取り除いて、ひとつひとつ丁寧に仕上げ、徹底した品質管理を心がけています。」